話をすることにはすごい作用があります。
私はこれまでそれを沢山目撃してきました。
自分の口から
言葉にして出す。
その時に思い浮かぶ言葉を
外に出す。
口から出た言葉(音)を
自分の耳で聞く。
それは、
意見を交わすための話し合いや、
何かを決めるための会議とも違っています。
はたまた、
自分の思いを目の前の人に理解してもらうためですらないかもしれません。
いちばん近いイメージは、
テニスの壁打ちでしょうか。
壁に向かってこちらが球を放ち、
それが壁に当たって返ってくる。
返ってきた球の動きを感じて、
また打ち返す。
壁(人)がそこにあることで
球を放つ(言葉にする)という行為が生まれますが、
肝心なのは壁(人)ではなくて、
返ってきた球を自分がどう感じるか。
そしてそこからまたどう打つか(どんな言葉が出てくるか)ということです。
口に出し、話をしてみないことには
本人にすらわからないことがあります。
それは、ひとり心の中で思っている時や、
頭の中だけで考えている時には決して起こりえない展開です。
話をするだけで流れるものがあり、
動くものがあり、
カタルシスもあり、
aha! momentがあります。
話を聞いてくれた人が何かを言ってくれたからではなく、
もっとただ自発的に働く力があります。
話をする。
その行為自体が持つ作用が、
たしかにあります。
そしてまた、
温かい体温を発している壁がそこにある、
そのことも欠かせない大事な要素です。
話をする
