火を焚く 熾す

大学のころ陶芸部に入っていて、
年に数回窯焚きをしていました。


薪をくべて燃やす窯は、
三日三晩ほど焚き続けます。


だんだんと温度が高くなり、
火の色も変わっていく。


最終的には、
目にはゴーグル、手には皮の手袋、
頭にはタオルを巻かないと薪をくべられないほどの高温になります。


焚き口が開いた時に見える炎は、
それはそれは美しくて、
じーっと見入ってしまう魅力がありました。
焚き口から下に落ちてくる熾(おき)もまた赤々として美しい。


火には不思議な力があり、
窯のそばで火の熱に当たっていると、
なぜかお酒の酔いも回りにくい。


おしゃべりもなごやかに楽しく続き、
(時にはにぎやかな様相にも)
けれど沈黙の時間もまたよいと感じられる。


火には不思議な力があります。


窯焚きとまではいきませんが、
一斗缶で松葉をくべて火を起こしたり
七輪で炭火を熾して何かを焼いたり。


自分で火を焚き熾し、
熱さを感じ、
火を見れば。



忘れていたなにかが蘇ってくるかもしれません。

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