それだけでいい

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昨日のこと。

夕方、息吹を迎えに行く車の窓からいい雲が見えていた。
羽のようにのびやかでうつくしい。

学童のあと、校庭からも雲が見えていたので、

「いぶき、あの雲みて。羽みたいじゃない?」
「ほんとだー」

と会話をしていたら、

それを見ていた学童の先生に、

「いぶきちゃん、すごいんですよ。
自然のものにいつでもよく気がつくんです。
すごいんですよ。」

と言われた。

うれしかった。

今日、内藤礼さんのお話を聞いてとても感銘を受けて、
お風呂でひとりその余韻にじーんと浸っているとき。

昨日のこのエピソードがふと思い出されて、

それだけでいい、と思った。

もう、それだけあればいいよね。

その感覚さえあってくれたら、
子に望むことなんて他に何もないんじゃないか?

それがあってくれるのなら、
私が息吹の母親であることの意味も果たせている気がする。

よかった。

ああ、よかった。

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