ドーナツ食べに京都まで

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あっついあっつい。
毎日あっつい。

どこにいても暑いけれど、
このクソ暑い中を京都まで行ってきた。

目的はおいしいドーナツを食べること!

和歌山にあるきのくに子どもの村学園の3泊4日のサマースクールに息吹を行かせることにしたのだけど、豊島から学校までは片道5時間。6時の始発フェリーで出発してなんとか集合時間に間に合い(バスに待ってもらったからじっさいには間に合ってない笑)、息吹をあずけて私は最終のフェリーで豊島に戻ってきた。

お迎えは3日後だったけど、すこし前にたまたまおいしそうなドーナツ屋を見つけたのだ。一瞬でハートをわしづかみにされる魅惑的なビジュアルのkewのドーナッツ。
島で仲良しのあいちゃんとLINEをしていて「いつかここ行きたいー」とシェアしたら、なんとあいちゃんも前から行ってみたかったと言うではないか。

こういうことはぜんぶ合図。すぐにピピッときてあいちゃんを誘い、息吹のお迎えの前に一泊だけ京都に行くことにした。

豊島に住んでからよかったことの一つに、都会を無邪気に楽しめるようになったことがある。
日頃あんまりにも島っぽい世界を生きているおかげで、大都会に行っただけで「わぉあーすごーい。人おおいー。ビルすごーい。都会だー!」と感動できるし、それをおおいに楽しめる。

真夏の京都は聞いていたとおりちゃんとクソ暑かった。
でもぜんぜん気にならなかった。

あいちゃんと高松で待ち合わせてマリンライナーで瀬戸大橋を渡るのも、ホテルはあえて別室をとって気を遣わずにのびのび過ごすのも、夕方の街を歩いて気になるラーメン屋の行列を眺め、ヨドバシカメラでMacBookAirをチェックし、おばんざい屋の中居さんの女の子たちの着物姿を愛でるもの、ホテルに帰る前に京都駅の中をぶらぶらしてイルミネーションや京都タワーのライトアップを見ておのぼりさんみたいにきゃいきゃい騒ぐのも、ぜんぶ楽しかったから。

翌朝、またクソ暑い中を電車を乗り継いでドーナツ屋へ向かった。
お腹を空かせてしばし外で待ち店内へ。
外観も内装も店員さんもすてき。

運ばれてきたドーナツには、
ぽってりとカスタードクリームがはみ出ている。かわいい。

こぼれやすいのでペーパーではさんで食べてください、という店員さんのアドバイスのままに両手でドーナツを持ってばふっとかぶりついた。

うわああおいしいぃー
思わず声がもれ、笑みがこぼれ、口のまわりは砂糖まみれ、クリームもついててあいちゃんがそれを見て笑う。

これはしあわせの味だ〜
夢のような味だ〜

ちゃんと甘いのにさっぱりしていて、ドーナツの食感とじゃりじゃりの砂糖とバニラビーンズたっぷりのやわらかいクリームのコンビネーションが見事な、渾然一体の作品として作られたうつくしい食べもの。
あっという間に食べ終わり、たまたま一個だけ残っていた名物のチーズケーキもあいちゃんと半分こして食べて、帰り道、お腹の中はクリームだらけでたぽたぽだったけどからだも心も満足していた。

ふたりとも、ただ満足だった。

京都駅で別れあいちゃんは豊島へ私は和歌山へ。
ドーナツ食べるために京都まで行った酔狂な旅。

そういえば大学生の頃にもドーナツを食べに京都に行ったことがあった。その時は青春18切符の残りの一枚を使うために友だちと日帰りで京都に行って帰ってきた。京都での滞在時間は3時間くらいだったかなあ。
その時と比べればだいぶ大人風味になったけれど、やっぱり酔狂な旅。

人生は旅だと言うけれど、
だとしたら私は旅も人生も酔狂なのが好きだ。

これからも酔狂な旅をしようと思う。

(息吹は帰りの電車の中で、和歌山の小学校にしようか豊島小学校にしようか迷ってるーと話してくれるぐらい楽しくて大満足だったらしい。よかったね)

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