銀座でハロー

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ひさしぶりに東京に立ち寄る機会があったので、自分のために一泊することにした。

着いた日は特に予定を決めないでおいた。
自分のための時間ということは決めていたから、その時のフィーリングと流れで動こうと思って。未定でフリーの時間というのはなんとウキウキすることだろうか!
行きたいところはあったから、ホテルにチェックインして荷物を置いたらまっすぐにそこへ向かうことにした。

目指すは銀座。
銀座の老舗ラーメン屋。

以前にテレビで見て、いつか行ってみたい食べてみたいと思っていた。だけど島暮らしの今はなかなか行ける機会がないので、数年越しに念願叶っての訪問だった。

一週間の合宿を終えたあとで、しかもヴィーガン食のおかげで私のからだはライトで澄んだ状態になっていたから、食べたかったものを味わうにはうってつけのコンディションだった。
ラーメンは昔ながらの中華そばで、ひと口飲んだそのスープの沁みわたることと言ったらもう!

しみるしみる。
おいしいおいしい。
しあわせしあわせ。

食べているあいだ中ずっと、からだもこころもたましいも喜びで弾けているのが分かった。相席で座っている目の前のおじさんにもハローしたい気持ち。
(というかもう勝手にハローは送ってた)

ハローはあいさつ。
魂から魂への。
spirit to spirit communicationのハロー。
(ちなみに発音はこんにちはのハローではなく、英語のスローと同じアクセントで発音する)

店内の客はほとんどがおじさん一人だったから、みんな食べ終わったらごちそうさまと言ってあっさり帰って行く。私は帰る時に、今の自分の心からの気持ちそのまんまの表現として、当然のこととして、店主の顔を見てこう言った。

「ごちそうさま、おいしかったです。」

そうしたらその瞬間、若くてめちゃくちゃイケメンの店主の顔がほころび、喜びがパーッと顔全体に広がって輝いた。接客していた中国人の強そうなおばちゃんもその一言にきゃっと喜び、それらを受けて私にもまた喜びが起こる。
すべてが一瞬の出来事。

そこの空間に喜びが広がり、その空気を共有したつかの間の瞬間。うれしかった。

ハローはできる。ハローは届く。
どこであっても、だれとでも、どんなときも。

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