何もしない

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何もしないのは得意ですか?

私はずっと苦手だった。
今でもまだ得意じゃない。

自分のそういうところには長いこと気づいていたけど、それが問題とは思っていなかった。むしろよきことだと信じていたから。
「何かをすること」こそがよいのだと。

その日やることをtodoリストにして書き出し、やり終えたらひとつずつ横線を引いて消していく。リストのぜんぶ、もしくは大半に線が引かれたさまを見て達成感を得る。

そうやって何かを確かめるようにしながら生きていた。
何を確かめていたのか?
自分が生きている意味のようなものを。

だけどこの達成感には決して終わりがない。
どれだけやっても、どれだけ繰り返しても、
決して終わりはやってこない。

われながら大変だったなあ!と思う。
気の毒に思うほどに。

大変だったねえ。
おつかれさま。

その正体はなんだったんだろうか?

わからないけれど、ひとつ言えるのは私ではなかったということ。それだけはたしか。

いまいちばん関心があるのは、何もしないこと。
何かをしないでいること。


家事をしない。

仕事をしない。

返事をしない。

何かを観ない。

読まない。

聴かない。

そして、考えない。
(考えてしまうのは仕方がないとしても)


え、じゃあ何をするの?


何もしない。

何もしないをします。

何もしない、をしてみたいんです。

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