太陽を生きる

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2026年、わたしは太陽になった。


どうしてこのときだったのかはわからない。


だけどわかった。
自分が太陽になったということが。


太陽になったら生きることが純粋なよろこびになった。


わたしは太陽で、
太陽であるそのよろこびをただ生きること、
それが人生の目的になった。


とてもシンプル。


ほんとうはとてもシンプルなんだな。




これまでわたしはずっと月として生きてきた。


むかしから月が好きで、
生きることの孤独を月に慰み、
そちらに帰りたいと月に嘆き、
自分の中に月を宿して生きてきた。


月はずっとわたしの味方で、
どんなにひとりだと感じても月はそこにいてくれた。


だからまさか自分が太陽になるなんて思ってもみなかったのだけど。


今も月は好きだ。
でもわたしは太陽になってしまった。


太陽は核融合で燃えている。
自ら熱と光を放ち輝く恒星、それが太陽。


その源にあるのは水素とヘリウムだけど、
それはつまるところ愛だと思う。


わたしの中で愛が自然発生する状態になったのだ。


その愛はもともとずっとわたしの中にあったから、
ただそれが自発的な生成状態に移行したということ。


太陽になって世界が変わった。


いやたぶん世界は変わっていない。
世界の感じ方が変わった。


それから違うと感じるのは、
わたしから生まれるものすべてが太陽から生まれるものになったということ。
月から生まれたものじゃない。
そこが決定的に違うと感じる。


太陽になってから思ったのは、
このままいったらどうなるんだろうということ。


出てきたのは、
ああ、わたしはいつか死ぬんだということだった。


そんな事実はとうの昔に知っていたけれど、
ありありとそう思ったのだ。
はじめてそれを実感した気がした。


わたしいつか死ぬんだ。


魂は永遠だけど、わたしはいつか死ぬ。


この肉体はいつか終わるときがくる。
それがほんとうにわかった。


だから生きるんだ。


今を生きるんだ。


太陽の自分をめいっぱい生きるんだ。


死ぬまで生きるんだ。


めいっぱい生きるだけなんだ。


それだけでいいんだよ、
ほんとはね。

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