雨がすき

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雨がすき。


いつからだろう。


雨の日は静か。
世界がしずかになって、
雨の音だけになる。


雨の音に耳を澄ます。


落ちつく。


人の気配がないからかもしれない。
雨の日はみんな家の中にいるから。


洗濯をしなくていいし、
(よっぽど着る物がないかぎりは)

庭の草むしりもできない。



いいよと世界がゆるしてくれている感じがする。



いいよ。

今日は何もしなくていいよ。

がんばらなくていいよ。

好きにしていていいよ。



雨の日はやさしい。

世界のやさしさを感じられる、

ごほうびの日。



雨の日に出かけなくちゃいけないのは嫌だった。

靴が濡れる。
傘から降り込んできた雨でからだが濡れる。
電車に乗ったら人が近くてペタペタする。

雨は憂鬱で不快な体験だった。



いまは雨が好きと思える。

自分の好きな生き方に近づいたんだな。


雨が好きになる暮らしができてよかった。

雨が好きと思えてよかった。



よかった。

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