彼女との邂逅

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彼女とはじめて出会ったのはたぶん3年前の春。
エナジーワークの基礎クラスで。

それから一年半くらいののち、
本格的な2年制プログラムの同期になった。

最初の頃の印象はどうだったかなあ。
かわいい、いい子という感じ。
(彼女が私のことをどう思っていたかは不明)

そこから数ヶ月後の最初のバリ合宿で。

私はひとり部屋だったし、
まだまだ自分のシリアスかつヘヴィな問題でぱつぱつの余裕ない状態だったから、60人いた同期たちとの社交的な関わりもそんなに求めなかった。
(なにせトレーニングが始まってからの数ヶ月、いまだかつて経験したことのない睡眠障害に悩まされていて生きた心地がしなかったのだ。幸い、このバリ合宿を境に抜けられたのだけど)

それでも、彼女と少しだけ言葉を交わしたシーンを覚えている。
なんのことを話したのか内容はまったく覚えていないが、その時に得た感覚がとても印象的だったのだ。
それは、なんだか変な感覚だった。

話しているのに、目が合わない。
なぜか焦点が合わない。
彼女の実態がとおい感じ。

嫌われてるのかな。
もしくは警戒されてる?
その時はそんなふうに思い、
少し残念に思った気がする。

そこからさらに一年半のトレーニングの間に何回か合宿があったが、彼女との距離が縮まることはなかった。
なんだろう、近づきたいけど近づけない。
かと言って、こちらから積極的に距離を縮めようとも思わなかった。

それにも関わらず、クラスでのリーディング交換やヒーリング交換、あるいはラボ後のシェアリングなど、数人でグループになる時は彼女と一緒になる確率がとても高かった。
たぶん私の中でのダントツ一位は彼女。

途中からその理由がわかってきた。
というより気づいた。
自分を見て、人(彼女)を見て、を続けているうちにわかったのだ。
要するに私たちはとてもマッチングの多い仲だった。

マッチングとは共通している部分のこと。
エネルギーとかパターンとかピクチャーとか色々。
私たちは似ているところがとても多かったのだ。

顔が似てるとか背格好や性格が似てるとかではもちろんなくて、
お互いの(魂としての)生い立ちや履歴、そこでの体験やあり方、味わった感情や抱いた思い、取り込んだり吸収したものなどにとても似通っているものがあったのだろう。

だからなかなか近づけなかった。
自分たちの本意とは別のところで、ずっと見えない何かが作用していた。

磁石の同じ極同士を近づけると反発し合う、その力のことを斥力(せちりょく)と言うらしい。
まさしくそういう感じ。
私と彼女の間にはずっと斥力が働いているかのように、いつも透明の分厚い壁があって、お互いを一定の距離に隔てていた。

こういうことってきっと気づかないところで実はたくさん起こっているのだろう。
だけど、普段の生活や日常の人間関係の中では気づかないかもしれない。
ん?なんだろ?くらいの微妙な違和感だったり、それこそ相手が自分のこと嫌ってると解釈してみたり、そのまま通り過ぎていったり。

でも、私と彼女はある種の特異なシチュエーションで出会い関係を結んでいた。
そこではあらゆることがぎゅうっと濃縮し、拡大されて表出してくる。
(いいこともそうでないことも)
と同時にものすごい勢いでプロセスされ変化していく。

だからこそあの時がやってきたのだろう。

〔続く〕

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